the capsule diary好きな映画、好きな音楽、好きな本…

| CALENDAR | RECOMMEND | ENTRY | COMMENT | TRACKBACK | CATEGORY | ARCHIVE | LINK | PROFILE | OTHERS |
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - | - | posted by スポンサードリンク -
小説『ノルウェイの森・下巻』 17:38
評価:
村上 春樹
講談社
¥ 540
(2004-09-15)

読みかけだった村上春樹の小説
『ノルウェイの森・下巻』を読み終えました。
上巻で散々だった感想は、下巻でも大して変わりませんが、
後半はまだ展開があって読めたかな。

けど、相変わらず根底を流れる不快感。
おれにとってこの作品は不快感の塊です。

内容は病や死に纏わる不幸や喪失感にもがき、
なんとか周りの慰めを得ながら乗り越えようとする話。
そしてその慰めとは…セックス。
そのため性描写が異様に多い上、男女関係なく
あられもない性に対する興味、発言、行動が大胆露骨に描かれ、
表向きはただのエロ小説です。^^;

けど、喪失感を埋めるためという同情を引いているため、
イヤラシイことというより、自分を不幸から救ってくれる
とても素敵なこととして描かれている。
それは大きな意味で愛かもしれないけど、
いわゆる恋愛とは明らかに違い、正常とはいえない。
それをごく当たり前のことのように世界を築いてしまっている点に
大きな不快感を覚えてしまうのです。

死んだ親友の彼女、彼氏持ちの女の子、家族を置いてきた中年女性…
関係を持ちながらもそこになぜか罪悪感とか嫉妬とかいう感情が出てこない。
世の中はそんなもんなのか?^^;いやどう考えても不自然だろ。

この小説では、正常な世界とそうでない世界を逆に捉えていて、
自分の頭が固いと指摘されているようでもあるけれど、
おれは世の中には最低限守らなければならない一線があると信じていて、
変な常識を植えつけるこの作品のタブー破りな作風がどうしても好きになれない。
世間の評価も問題作として取り上げるべきだと思う。

結局この小説の本質は「死がもたらす喪失感」であり、
性交渉はそこから抜け出そうとする衝動に過ぎない。
彼らはそれで幸せになれると信じているし、
同時に大きく傷ついて、喪失感を強くしたりもする。

まぁ、とりあえずこの本はできるだけ多くの人に読んでほしくないし、
子供たちには絶対読んでほしくないなぁ。
そうそう、おれの基準って子供だなって最近気がついた。

子供が感動するとか、子供がワクワクするとか、
子供が夢を持つとか、子供が笑顔になるとか…
きっとおれはあの頃の気持ちを今でも基準にしていて、
そんな気持ちを思い起こさせる作品を自分も作りたいって思っているんだ。

『ノルウェイの森』はそういうのとはかなりかけ離れている。

JUGEMテーマ:読書

the capsule website
| | comments(0) | trackbacks(0) | posted by bonehead -
絵本『おおまきの唄がきこえる』 02:00
田之上尚子さんが描かれた絵本
『おおまきの唄がきこえる』の原画展が
松本の興文堂書店平田店でやっていたので
見に行ってきました。

ちょうど田之上さんにも会え、色々お話をしたり、
絵本にサインしていただいたりしちゃいました♪^^

この絵本は下伊那の清内路の大きな木、
樹齢350年を超えるミズナラの大樹をモチーフにした物語で、
田之上さんの世界が広がった本当に素敵な作品です。

田之上さんの絵は一つひとつがかわいいんだけど、
凄く個性的で、その想像力に圧倒されます。
個人的には、木で作った寄木細工ではなくて、
寄木細工で作った木みたいなイメージかな。

そして今回は絵本ということで、彼女の言葉にも、
一つひとつ惹き込まれてしまいます。
田之上さんの作品は音楽をテーマにしたものが多く、
絵を見ているだけでも音楽が聞こえてきそうですが、
この絵本でもおおまきの唄が聞こえてきます♪

個人的には「おおまきだ!」っていうページの作品が大好きで、
自然や動物や人すべての命の鼓動が温かく感じる、
大切にしたいって感じる、そんな素敵なシーンです。

絵本が好きな人もそうでない人も、
子供でも大人でも、ぜひ読んでほしいです。
オススメです♪

原画展は1月24日までやっています。

http://o-emu.net/archives/5285.html

JUGEMテーマ:読書

the capsule website
| | comments(0) | trackbacks(0) | posted by bonehead -
小説『ノルウェイの森・上巻』 23:00
評価:
村上 春樹
講談社
¥ 540
(2004-09-15)

村上春樹の小説『ノルウェイの森』を読んでいます。
12月から読み始めて、やっと上巻を読み終えたんですが、
これは大変です。

世界の村上春樹の小説を読むのはこれが初めてなんですが、
どういう訳でしょう。とんでもなくつまらない。。。^^;

おれにはこの人の文章にまったくセンスを感じないし、
表現や描写が稚拙で、ストーリー展開も唐突で、
読むたびにがっかりさせられる。。。
けど、むしろおれにセンスがないってことなんですかねー?^^;

とりあえず全体を通して話に不快感を覚えるから、おれの趣味じゃないんだな。
上巻読み終えた段階では、そんな感想なんだけど、
そんなだから、これから下巻を読むのが億劫だ。。。
まぁ、下巻で感想が一転するかもしれないけど。^^

JUGEMテーマ:読書

the capsule website
| | comments(0) | trackbacks(0) | posted by bonehead -
小説『アヒルと鴨のコインロッカー』 00:52
伊坂幸太郎の小説『重力ピエロ』に続いて
『アヒルと鴨のコインロッカー』を読みました。

これは珍しく映画を先に見た作品で、
内容は一応知っていたんですが、
伊坂幸太郎マジ凄いです。
小説めちゃめちゃおもしろい!

ストーリーを知っていながら
こんなに楽しめるとは思いませんでした。
彼の言葉、表現にはいちいち情景を想像させる説明があって、
その分スピード感はないんだけど、その表現が巧みであるがゆえに、
想像力を結構使うから、頭の中はフル回転。
そして細かい描写が頭の中に鮮明な光景を映し出してくれる。
映画以上の映画を見させてくれる感じ。

『重力ピエロ』でもそうだったけど、
伊坂小説は先が読めてもおもしろい。
結果どうなるかなんて関係なくて、過程を楽しむ感じ。
男女がいつか結婚するのかとか、別れるかなんて考えずに、
とりあえず一緒に遊んだり、同棲してみたりする感じに似てるかな(笑)
それともダウンタウンのやり取りにオチがなくても笑っちゃう感じって言った方が
分かりやすいかな?(笑)

あとね、別のものにも興味が沸く。
『アヒルと鴨のコインロッカー』読むと、
ボブ・ディランが聞きたくなる!^^

『重力ピエロ』読んだときは、
ガンジーとか芥川龍之介とかにも興味を持ったし、
新たな出会いがたくさん生まれる小説としても楽しめると思う。

小説『アヒルと鴨のコインロッカー』オススメです!
小説の方ですよ!^^

JUGEMテーマ:読書

| | comments(0) | trackbacks(0) | posted by bonehead -
小説『重力ピエロ』 01:06
評価:
伊坂 幸太郎
新潮社
¥ 660
(2006-06)

伊坂幸太郎の小説『重力ピエロ』を読みました。

正直、伊坂幸太郎原作の映画をいくつか見て、
「おもしろいけど特に心に残らないな」って思ってたけど、
今回初めて彼の文字(作品)に触れ、その魅力にびっくり!

彼の言葉を使った表現のおもしろさは、
映画では表現できない独特のものがあって、
ちょっとした引っ掛けみたいなおかしさが
じわじわと染み込んできて魅了します。

あらすじは…
仙台の街で起こる連続放火事件。
放火現場の近くには必ず奇妙なグラフィティアートが描かれていた。
過去に辛い記憶を抱える泉水と春の二人の兄弟は、
事件に興味を持ち謎解きに乗り出す。
グラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。
謎を解き明かしたとき、その先に見えてくるものとは。
(wikipediaより)

一応ミステリーらしいのですが、それ自体は大したことなくて、
結末までの過程で彼の表現の豊かさに付き合う時間が楽しいです。
主人公の兄弟の会話は妙に知識満載で文学的で思想的で
心理学的でアーティスティック。
けど、それなのに普通の少年にも見える親近感がある。
話の内容より、この小説の表現の巧みさがミステリーな気がします。
もちろん話も凄くおもしろい。

この小説の全体で重要な位置を占めるテーマに「性」と「生」がある。
「性」により「生」が生まれるのだけれど、
「性」により生まれる「罪」や「悲しみ」、「嫌悪感」もある。
けど「生」があるから存在する「幸せ」や「感謝」もあり、
「性」と「生」について色々と考えさせられます。

色々と嫌な現実を見せ付けられる場面もあるけど、
随所に出てくる家族愛や絆に力強いものを感じます。
個人的に凄く共感することも多くて、
特に自分も男兄弟だからかもしれないけど、凄く分かるんですよ。
男って素直じゃないようで、案外分かりやすく素直だったり。^^

他にも伊坂幸太郎小説読みたくなりました。

JUGEMテーマ:読書

| | comments(0) | trackbacks(0) | posted by bonehead -
| 1/3 | >>