前から興味がありながら読んだことのなかったニーチェ。
『アンチクリスト』の斬新な現代語訳
『キリスト教は邪教です!』を毎日少しずつ読み、
昨日やっと読み終わりました。
内容はそのまんまでキリスト教批判でして、
自分も先進国に生きる典型的な無宗教者ですので、
すんなり受け入れることができる内容でした。
ただ、海外に行くと分かりますが、この日本で当たり前の感覚を、
キリスト教圏において発言すると言うことは、本当に勇気がいることで、
海外の人の宗教に対する執着は日本人の理解を超えていています。
まさに洗脳されているような興奮状態で、いい加減にしてくれという感じ。^^;
ニーチェのこの現代語訳はちょっとガサツであり、
おそらく原文も同様の下品な表現が含まれていたと思われるけど、
それでも凄い批判を書いてしまったなぁという感じです。
豊かで平和な国、日本で生まれ育った日本人には
当たり前すぎてつまらない本かもしれません。
けど、一度海外に行って、外国人にこういって欲しい。
「一応仏教だけど、特に神も仏も信じていないよ」と。
たぶん1時間は説教される…。(笑)
この『アンチクリスト』やニーチェで誤解されているだろうことは、
キリスト教批判であって、イエスを批判はしていない点。
むしろイエスを素晴らしい偉人だと彼は本書で語っている。
イエスの心をきちんと伝えていないから批判しているというようにも
捉えられる点が、なかなか共感しやすかったりする。
日本って国にもたくさんの宗教が入り乱れているけれど、
変な宗教が多かったり、形ばかりの仏教、神道だったり、
なんだかんだで本質的には宗教を必要としていない裕福な人ばかり。
でもそれってとても幸せなことだと思うんですよ。
自分はそんな日本が素晴らしいと思うし、世界に誇るべきだとも思う。
けど、世界のほとんどの国が宗教に支配されていて、
みんな凄く批判的だから、大きな声じゃ言えないけどね…。
ニーチェは結局精神病にかかったり、
超人などという神格化したものを取り上げたりしたもんだから、
この『アンチクリスト』の説得力がなくなっちゃったみたいだけど、
この書ってやっぱ凄い衝撃!
『キリスト教は邪教です!』はちょっと文体に疑問を感じるけど、
とても読みやすいのでお勧めですよ。